かつて荘周は夢に蝶となった。ひらひらと飛ぶ蝶そのものであり、自ら楽しんで荘周であることを知らなかった。ふと目覚めると、まぎれもなく荘周である。荘周が夢に蝶となったのか、蝶が夢に荘周となっているのか、分からない。

昔者荘周夢為胡蝶、栩栩然胡蝶也。自喩適志与、不知周也。俄然覚、則蘧蘧然周也。不知周之夢為胡蝶与、胡蝶之夢為周与。

荘子

哲学者

荘子

紀元前4世紀の中国戦国時代、宋の蒙に生まれた道家思想の大成者。胡蝶の夢や庖丁解牛の寓話など鮮烈な物語を通じて万物の相対性と「無為自然」の境地を説き、老子とともに道教の二大古典である『荘子』全三十三篇を残した。権力を拒み精神の自由を貫いたその生き方と思想は、二千三百年を経た今なお東西の哲学に影響を与え続けている。

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出典: 荘子 内篇 斉物論Verified

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